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ガロワ＝モンブラン「演奏会用小品」
国際的なクラリネット奏者として多彩な演奏活動を行い、パリ地方音楽院やローザンヌ高等音楽院で教鞭をとるフローラン・エオー氏。エオー氏がフランスで執筆中のブログの日本語版を、シリーズ化してお届けいたします。
フローラン・エオー氏 ブログ Vol.10
レイモン・ガロワ＝モンブラン、クラリネットとピアノのための演奏会用小品
ヴァイオリニストで作曲家のレイモン・ガロワ＝モンブラン（1918-1994）は、1930年から1942年にかけてパリ国立音楽院で学びました。ヴァイオリン、和声、フーガと対位法、作曲で一等賞を受賞しました。
カンタータ「ルイーズ・ド・ラ・ミゼリコルド」の作曲では、ローマ大賞を受賞しました。
作曲に加え、ヴァイオリニストとしてのキャリアを積み、特にピアニストのピエール・サンカンとともに室内楽奏者として活躍しました。
その後、1962年から1983年までパリ国立高等音楽院の院長を務め、多くのクラスを開設し、上級教育課程を設けました。
ガロワ＝モンブラン (1918-1994)
彼は、クラリネットのためにいくつかの作品を作曲しました：
– クラリネットとオーケストラのための協奏曲(未発表)
– クラリネットとピアノのための演奏会用小品（Leduc, 1946)
– クラリネットとピアノのためのユーモレスク(Leduc)
– 6つの練習用小品 (Leduc、1955)
クラリネットとピアノのための演奏会用小品は、1946年にパリ国立音楽院のコンクールのために作曲され、「音楽院の教授であるオーギュスト・ペリエ氏に友情と共に捧ぐ」と献辞が書かれています。
オーギュスト・ペリエ（1883-1947）は、オペラ・コミック座の首席クラリネット奏者でした。1919年から1947年までパリ国立高等音楽院で教鞭を執り、目もくらむようなテクニックと卓越したスタッカートで知られています。そして、練習曲集や「毎日の練習」を作曲した奏者です。カミーユ・サン＝サーンスは、クラリネットとピアノのためのソナタ（1921年）を彼に捧げています。
オーギュスト・ペリエ（1883-1947）
ガロワ＝モンブランの演奏会用小品は、ルデュック社から出版されています。
Guy Dangain & Fabienne Boury Fournier jouent Concertstuck de Raymond Gallois Montbrun
ここで、いくつかの楽譜の編集ミスを修正します。
カデンツァの冒頭で、以下の小節の最後の音符のグループは確かに16分音符です：
記号Bの後の2小節目では、E#を吹きます：
記号Cの後の6小節目、2音目は確かにF#です：
記号Fのところは、ブレスとPPのニュアンスを記入しましょう：
記号Hの4小節前は、「生き生きと」という記載が不足しています（その後、記号Hで「もっと静かに」とと記載されています）。
記号Hの3小節目から5小節目までのスラーが、パート譜で抜けてしまっています。
記号Kの3小節目と5小節目は、D♮を吹きます：
記号Lの後の6小節目、2拍目は、D#を吹きます：
最後の前の小節では、G（六連音符の最初の音）にアクセントが足りません。
出展：Leduc社の楽譜
フローラン・エオー氏 関連リンク
※ ブログVol.1 「ドビュッシー、クラリネットとピアノのための第一狂詩曲」はこちら
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※ 本記事は、フローラン・エオー氏のご承諾のもと、2012年1月16日に公開されたブログ記事を株式会社 ビュッフェ・クランポン・ジャパンが翻訳したものです。翻訳には最新の注意を払っておりますが、内容の確実性、有用性その他を保証するものではありません。コンテンツ等のご利用により万一何らかの損害が発生したとしても、当社は一切責任を負いません。