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Yann Lemarié Interview 2018

数々のコンクールで優勝し、国際的に活躍するサクソフォーン奏者、ヤン・ルマリエ。演奏家として、そして教育者としての経歴についてインタビューしました。
取材:ビュッフェ・クランポン・ジャパン(2018年7月25日・東京にて)

 

コンクールで成功し続ける秘密

  コンクールの優勝、入賞歴が2桁もありますね!
ルマリエ ええ、コンクールはとても刺激的なイベントで、大好きです!練習に励む良い動機となり、アスリートのようにチャレンジしたくなります。私はコンクールの年齢制限ギリギリ、つまり16歳から30歳までチャレンジし続けました。もし40歳まで出場できるならば、40歳までチャレンジしたでしょう。

  昔からステージで演奏することがお好きだったのでしょうか?
ルマリエ 実は、昔はひどい「あがり症」だったので、コンクールの前にはストレスで吹き出物ができたり、風邪の症状や腹痛に悩まされていました。それで、はじめのうちチャレンジしたコンクールは軒並み失敗続きでした。

  「あがり症」をどのように克服されたのですか?
ルマリエ あがらないようにセルフコントロールするのは、とても大変なことです!私は考え得る限りのことを試しました。緊張を緩和する薬を試したこともあります。医者から処方された薬ですが、6月にコンクールに出場する場合は1月から服用を始め、6月までに服用量をどんどん増やし、出演が終わっても量を減らしながら数か月服用し続ける必要がありました。身体に負担がかかり、まるで麻薬のようだと思いました。そのうえ、服用したからといって緊張を緩和することは、結局できなかったのです。飲酒は身体のコントロールが利かなくなりますし、言語道断です。ほかにも様々な方法を試した結果、最後に見つけたのが、ヨガの呼吸法でした。

  どのような方法ですか?
ルマリエ コンクール当日は朝早く起きて、コンクール出場の3時間前に呼吸のエクササイズを行い、さらに直前にもエクササイズを行います。エクササイズでは、最初は横になって深呼吸を繰り返します。次に、手から両肘までをぴったりくっつけ、手を組んで顎の下に充て、頭をそらして深呼吸します。それからさらに、身体を二つに折ります。空気をお腹に入れて、ゆっくりと出す。これを繰り返すと驚くほどリラックスすることができます。お腹は息の通り道で、身体の中でも大きなパワーが出る場所です、それは手をリラックスさせることよりも、ずっと重要なのです。
このヨガが功を奏し、コンクールで初めて成功しました。一度成功すると、もっと挑戦したくなります!この呼吸法は、私のクラスでも教えています。

 

演奏家、教育者、コンクール主催者として幅広く活躍

  パリ市立7区と20区音楽院で教えていらっしゃいましたね。
ルマリエ 実は今年9月から、自宅近くのパリ市立14区音楽院に移ります。7区や20区の音楽院と同じように、子どもからプロを目指す学生までが在籍しており、国際的な雰囲気です。

  上達を目指す若い音楽家に向けて、日々の練習に関してアドバイスはありますか?
ルマリエ 練習を計画的、効果的に行うことが重要です。練習を始める時には、まずはロングトーンを吹いて、音色の質を改善する必要があります。アンブシュア、息、構えなどを見直しましょう。特に息は重要です。その次にスケール、技術的に難しいパッセージ、といった具合に練習を進めます。最近の傾向として、無駄に長時間練習する生徒が多いことが気になります。曲を通して吹くばかりで、間違ってもそのまま吹き続ける生徒が多いのです。自分の演奏をしっかり耳で聴いて、間違ったところは集中的に繰り返し練習することが大切です。

  パリ国際サクソフォンコンクールを主催されていますね。
ルマリエ コンクールが大好きなので開催しました!近年は参加者も増え、様々な国籍の参加者がチャレンジしてくれます。日本から審査員を招聘することもありますし、日本人が優勝した年もありましたよ。

  世界各地で演奏活動をされていますが、最近はどのような活動をされていますか?
ルマリエ サクソフォーンとオルガンのデュオです。トランペットとオルガンとは異なり、珍しい組み合わせです。レパートリーは、バッハ、エクレス、ヴァンサンダンディといったバロックを中心に、19世紀までの幅広い曲を、サクソフォーンとオルガン用にアレンジしています。数回コンサートを開催したところ非常に好評だったので、今後も活動を広げていく予定です。

 

使用楽器の魅力

  〈ビュッフェ・クランポン〉のサクソフォーンは、いつからお使いですか?
ルマリエ 20年前から〈ビュッフェ・クランポン〉のサクソフォーンを使用しています。尊敬するダニエル・デファイエが”プレスティージュ”を演奏したのを聴き、その丸みがある素晴らしい音色と、ピンク色のコパーの美しさに衝撃を覚えて、同じ楽器を購入したのがきっかけです。

  現在使用されているのは”センゾ“ですね。
ルマリエ 2013年年末に発売と同時に購入しました。低音域の音程や均一性にも優れ、〈ビュッフェ・クランポン〉らしい丸みを帯びた音色に磨きがかかったサクソフォーンです。”センゾ“は、シルバー、ゴールドも試しました。シルバーは非常にパワフル、ゴールドには強い輝きがあり、コパーは暖かく丸い音色で、私の希望に最も副った楽器がコパーでした。デザインに関しても、色が好みですし、かつてない素晴らしい彫刻が施されているので、本当に美しいと思います。


※ ヤン・ルマリエさんの生い立ちや経歴、上達のためのアドバイスについては、管楽器専門月刊誌「パイパーズ」2017年10月号(バックナンバー)のインタビュー記事で詳しく紹介されています。ぜひご覧ください。
※ “センゾ”の製品紹介ページはこちらからご覧ください。

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